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雷害対策の基礎知識 雷の発生と雷害の種類

雷とは何か、どのように被害をもたらすのかを知り、被害防止に役立てる

落雷は私たちの生活はもちろんのこと、企業活動にとっても大いなる脅威です。雷被害に備えるためには、その被害の発生原因に応じた対策をとる必要があります。雷が発生するしくみから対策の必要性、そして対策方法までを、長年にわたる雷害対策の経験とノウハウに基づいてご紹介します。

雷の発生

落雷は雲から地表への放電現象

雲の中の電界が変化して電荷が分離し、上方にプラス電荷、下方にマイナス電荷がたまった雲が、「雷雲」となります。この雷雲のマイナス電荷から地表のプラス電荷に向けて放電される現象が「落雷」すなわち雷雲電荷と地表の電荷が中和する現象です。

雷雲と雷

大気の気流や気圧の差から雷が発生

雷の種類として、真夏の熱い日射が地表面付近の空気を熱し、上昇気流となって発生する「熱雷」、大気の冷気団と暖気団とが接触する境界線に添って発生する「界雷」、低気圧や台風の中心付近などの上昇気流の活発なところに発生する「渦雷」の3種類に大きく分けられます。

雷サージ

電子機器を破壊するほどの過電圧をもたらす「雷サージ」

電子機器が正常に動作するには、適正な電圧条件が必要で、過電圧は機器の破壊や誤動作を引き起こします。過電圧は自然的および人工的なものがあり、中でも最も大きな過電圧を引き起こすのが、落雷を原因とする「雷サージ」です。

雷撃の種類

避雷針だけでは防げない雷の被害! 建物内部に流入する誘導雷・逆流雷への対策が重要

落雷による被害を回避するためには、雷撃の種類に応じた対策を講じることが重要です。「直撃雷」には受雷部(避雷針)などから構成される「外部雷保護システ ム」が、電源線や通信線を伝って侵入してくる「誘導雷」には、対象物を保護するSPDの設置が必要になります。

  • 直撃雷

    一般的な落雷で、雷放電による電流の大部分が人体や建築物・樹木などを通過します。人命を奪う、機械設備を破壊する、火災を発生させるなど、甚大な被害を引き起こします。

    対策

    建築物やその近隣に雷保護設備(雷保護システムなど)を設置する。受雷設備の接地抵抗値は極力低くする。

  • 誘導雷

    電源線・通信線やアンテナなどに雷電流からの電磁誘導によって発生する高電圧で、機器の破壊を引き起こします。

    対策

    磁気遮蔽する。
    対象物にSPDを設置する。

  • 逆流雷

    建造物への雷撃時、接地抵抗が十分低くないと、電源を供給している電源線及び通信線へ雷電流の一部が逆流雷として流出します。山頂負荷供給配電線で被害が多く生じます。

    対策

    雷撃場所の接地抵抗値を低減する。
    耐雷トランスやクラスⅠSPDを設置する。

雷害のメカニズム

近傍に落ちた雷が配線を通って侵入

近傍の落雷により発生した誘導雷は雷サージとなり、電源線や通信回線を通って建物内部へ侵入します。たとえ避雷針を接地している建物でも安全でないのは、誘導雷が侵入してくる可能性があるからなのです。

通過する雷サージの過電流・過電圧が機器や配線を破壊

建物内部に侵入した雷サージは過電圧・過電流となって、電源線や通信回線に接続された電子機器内部へ侵入します。両方の線につながったパソコンやファックス などの情報機器は、電源と通信回線との間で電位差が生じて一瞬のうちに破壊されるのです。