主な技術施設・設備
短絡電流試験装置
電源に接続される機器の大電流、高電圧に対する安全性を評価する試験装置
本装置は、電源に接続する機器(電源用SPD、電源装置、分電盤等)の交流および直流の大電流に対する安全性を評価するための試験装置です。出力電圧、電流の任意での調整により交流電源や直流電源および太陽光発電系統における短絡事故の模擬が可能になり、さまざまな製品の開発に活用されます。
装置概要
主電源回路は大電流の通電、副電源回路は高電圧の印加を行うことが可能
本装置は主電源回路と副電源回路で構成され、主電源回路は大電流の通電、副電源回路は高電圧の印加を行うことができます。また、インパルス発生器を組み合わせることで試料への電源通電状態でのインパルス電圧、電流を印加することができます。更に主、副電源の投入停止のタイミングやインパルス印加のタイミングも制御可能です。
出力電圧範囲 | 主電源回路 | AC72~1056V・DC97~1500V |
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副電源回路 | AC300~2500V |
導入の背景
SPD内部素子の短絡故障による電源事故への対策が急務
近年、電源用SPDは雷害対策機器として広く普及しています。その一方で電源用SPDに許容以上の雷エネルギーが通過してSPDの内部素子が短絡故障し、電源事故に至るケースが発生しています。このような事故はSPDの故障だけに留まらず、電気設備の火災に至るケースもあるため、電源用SPDは短絡した内部素子を電源回路より安全に分離できる機能を内蔵、あるいは外付けで有することが必要になります。
電源用SPDの試験規格[JIS C 5381-11:2014]やSPD用分離器ヒューズ(SFD)に関する規格[JEITA RC4501,4502:2013]において電源用SPDおよびSPD分離器(ヒューズ)に関する安全要求が規格化されています。これらの規格への適合、および当社開発製品の更なる安全性を追求することを目的とし、本試験装置を導入致しました。※SITSとは: SPDの短絡故障時に、SPDに流れる電源短絡電流を安全に遮断できる技術です。
実施可能な試験
- JIS C 5381-11:2014低圧電源システムに接続する低圧SPDの要求性能及び試験方法
- IS C 5381-31太陽光発電用SPDの要求性能及び試験方法
- IEC61643-41低電圧直流電源用SPDの要求性能及び試験方法
- JEITA RC-4501低圧電源用SPD用分離器ヒューズ(SFD)の要求性能及び試験方法
- 各種電源機器への短絡電流耐量試験
- ヒューズ、過電流遮断器の特性試験、短絡保護協調試験
- 電源事故の検証